ワン・ビンのドキュメンタリーは長過ぎる(←いつかの前言と矛盾するかもしれない)
■午後、渋谷へ。イメージフォーラムにてワン・ビン『収容病棟』(2013)を鑑賞。予想できたはずだが、おそろしく汚さと貧しさに溢れた映画だった。映っていたのは人間というより動物といったほうが近い感じ(そんなことを言ってはいけない??)。一方で「狂気」はあまり前景化していなかった。フレデリック・ワイズマン『チチカット・フォーリーズ』(1967)や想田和弘『精神』(2008)と並べてみると、そこがかなり違う。『収容病棟』ではその題名通り、「狂気」よりむしろ精神病院という名の社会的「牢獄」が前面に。それにしても、ペドロ・コスタが極限の貧しさを映すときそれはなぜか「美しく」見えるのに、ワン・ビンが極限の貧しさを映すとそれは実物以上に「汚く」見えるような気がする。偏見か。いや、実物どおりにプラマイゼロで「汚い」んだろう。同じワン・ビンによるドキュメンタリー、被写体の‘貧しさ’の度合いは似たようなものでも、こないだ観た『三姉妹 雲南の子』の方はすごく好きだったんだけどなぁぁ。
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