すり替え・詐欺・‘美談’にいらだつ
■また1ヶ月が終わる。夏はまだまだこれからだが。
■夜、高2息子のリクエストに従って、男子高校生向け「戦争アクション傑作選」第三弾(←事実上)となる百田尚樹×山崎貴『永遠の0』(2013)鑑賞会となりました。あああこういうの、いやだなあ。前半、岡田准一演ずる主人公の天才肌飛行機乗り(特攻隊員)にしきりに「死にたくない」「命は大切」とか言わせるのは、結局最後にそれを欺いて見事に命を捨てさせるための悪質な‘詐欺’だし、なんだか奇妙なすり替えで、残された妻子はといえば彼の‘栄誉の戦死’(←レトリックとして決してそうは表現しないが結局そういうこと)を生涯胸に、彼の‘生まれ変わり’としての同僚隊員とともに穏やかな後半生を送ることになるし、この巧妙な戦争美化のやり口、なんだかんだで万事を丸く納め美しい物語に回収する厚顔無恥が耐えられんーーーーー! ちなみに、戦争アクション映画としての出来、という意味では、私はアクション映画のよい観客ではないので(アクションをアクションとして楽しむ資質を持ち合わせていない。すみません)、評価は差し控えます。
■Uボート、プライベートライアン、父親たちの星条旗+硫黄島からの手紙、という最強最良にして最醜の第二次世界大戦映画ラインナップに続いてこれを男子高校生に見せたことは正しかった、と自画自賛。戦争映画は醜くあるべき、という意味で、‘最醜’は褒め言葉です。
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