ジャ・ジャンクーと「挫折の映画」あるいは「映画の挫折」
■最近少しだけ寝付きが悪い。私にしては非常に珍しく。で、昨晩は枕元に三冊の文庫本……若桑みどり『イメージの歴史』、ハンナ・アーレント『人間の条件』、金井美恵子『愛の生活』……を持ち込んで交互につまみ読みしながら眠くなるのを待った。刺激的な三冊。そしてすぐに眠れた……><
■TSUTAYA DISCAS今月の第6便ではジャ・ジャンクーの旧作2点が届いている。『青の稲妻』(2002)と『世界』(2004)。ジャ・ジャンクー作品、この旧作2作を見れば、少なくとも日本国内でみることの出来る彼の作品は、公開中の最新作を含めて全作踏破したことになる。何の作家であれ踏破した経験というのがほぼゼロの私としては、とても稀なケースです(……)(作品数がまだ少ないおかげかな)。ということで、まずは『青の稲妻』を鑑賞。ドキュメンタリーのようなドラマあるいはドラマのようなドキュメンタリー、みたいな独特の肌触り。ふたりの青年それぞれの恋愛、挫折、焦燥、不全感。60年代の仏ヌーヴェルヴァーグ/米ニューシネマ、70年代の日本ATG映画、90年代の中国ジャ・ジャンクーが呼応しているような気がしてきた。「挫折の映画」(その裏に「映画の挫折」)と括ると、安易すぎる?
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